AI Security Playbook

手順 / 約12分

MCPをつなぐ前に、渡す権限を確かめる

接続先・起動方法・データの送信先を分け、必要な操作だけを許可する。

実践 · APIキーと権限の基本を知り、接続するツールの設定を確認する方へ。

読む前の補足
  • AIアプリ・MCPサーバー・連携先を区別する。
  • 接続前に確認する権限と送信先を整理する。
  • 不明な起動方法や過剰な権限で接続を止める。
この記事の目次

対象と前提

AIアプリにファイル、GitHub、メールなどの外部機能をつなぐ人向けです。MCPはAIアプリとツール提供側のやり取りを定める仕組みで、接続先が安全であることを認証するマークではありません。

公式の構成説明では、AIアプリであるホストがクライアントを介してMCPサーバーへ接続します。「サーバー」は手元で動くプログラムの場合も、遠隔のサービスの場合もあります。

AIにファイルや外部サービスをつなぐ前につなぐだけで、どの資料まで読めるようになる?

仕組みをつかむ

接続先と、その先の権限をたどる

  1. AIアプリ

    クライアントを介してツールを使う。

  2. MCPサーバー

    手元のプログラムや遠隔サービスで処理。

  3. ファイル・外部API

    与えたアカウントやOSの権限が影響する。

MCPという方式や接続画面の表示だけで、接続先の安全性や隔離を保証できません。

ツールが使える範囲は、接続先へ与えたアカウント・ファイル・ネットワークの実際の権限で決まります。

接続画面の説明と、実際にできる操作を分けます。「読み取り専用」と表示されても、その結果をどこへ返すかは別の問題です。公式のTools仕様でも、信頼できないサーバーからの注釈を安全性の根拠として扱わないよう求めています。

想定リスク

表がはみ出す場合は、横にスクロールして読めます。

接続の条件 起こりうること 接続前の確認
出所不明の起動手順 手元で別のプログラムが動く 配布元・パッケージ・起動内容
広いアカウント権限 予定外のデータまで読める 対象のフォルダー・リポジトリ・権限
複数のツールを同時に許可 読んだ秘密を別ツールで送れる 読む範囲と送る範囲の組み合わせ
接続したまま放置 不要になった権限が残る 切断方法と認証情報の失効方法

「作業フォルダーを指定した」ことも、強制的な隔離を保証しません。旧来のrootsはアクセス制御ではなく、2026-07-28仕様では非推奨とされています。Roots仕様を確認し、実際の制限はOS・接続先・サービスの権限設定で確かめます。

過去の事例から学ぶ

分類:再現実験。 Invariant Labsは2025-05-26、公開リポジトリのIssueに含む指示をきっかけに、エージェントが非公開リポジトリの内容を公開PRへ出す流れを報告しました。研究者の報告に基づく再現例で、一般利用者の被害件数を示すものではありません。

公式のMCPサーバーを使うことと、外部の文章を信頼してよいことは別です。この実験からは、同じ作業で不要な非公開データを読ませないことと、公開操作の境界を分ける必要性を学びます。

誰が何を確認するか

表がはみ出す場合は、横にスクロールして読めます。

役割 確認すること 確認の方法
利用者 接続したい目的と必要な操作 読む・変える・送るを分ける
接続を設定する人 配布元、起動先、付与する権限 公式手順と実際の設定を照合
管理者・提供元 権限の制限と認証の扱い 製品のセキュリティ設定と公式仕様

一つ確かめてみる

読む許可と、送る許可は組み合わせで考える

  1. 読む対象

    必要なテスト資料だけに絞れるか。

  2. 送る宛先

    取得した情報がどこへ返るか。

読み取り専用でも、読んだ秘密を別の連携先へ送れるなら流出につながり得ます。

接続する前に「この連携で何を読み、何を変更し、どこへ送るか」を一つずつ確認します。メールの要約だけなら、送信・削除・全フォルダーへのアクセスまで必要かを検討します。

最初は、テスト用の資料から。

実データではなく、自分で作ったテスト用の資料と狭い範囲のアカウントで始めます。起動コマンドの意味や送信先が分からなければ、見知らぬ手順を貼り付けて実行せず、接続元の管理者や提供元へ確認します。

確認チェックリスト

  • 出所: 公式サイトから配布先へたどり、実際に使う接続先と一致している。
  • 操作: 読取・変更・削除・外部送信を分け、不要なものを許可していない。
  • 対象範囲: 必要な資料やテスト対象だけを使える設定か確かめた。
  • 送信先: 取得した情報がAIアプリ以外へ渡る経路を確認できる。
  • 終了: 切断と権限の失効を区別し、不要になった連携を解除できる。

次の行動

接続できた後はエージェントに任せる範囲を決めます。トークンを漏らした疑いがあれば、切断だけで済ませず初動で有効な権限を確認します。

一次資料

書いた人

マーケティングの現場から、AIをつくり、仕事で使う側へ。実際に試したことや、つまずいたことを、図解と具体例で伝えています。

この記事のURL:https://nekoai-lab.github.io/ai-security-playbook/learn/mcp-permissions/

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